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「告白/町田康」■笹原圭一の『月曜日は夢の書評』
この連載も回を重ねること9回目。
実はここまで紹介した本に関して、ある一定の法則があったことを皆さんはお気づきでしょうか。
「麻雀放浪記」から始まって、「将棋の子」→「みなさん、さようなら」→「銃・病原菌・鉄」→「みをつくし料理帖」→「オカルト」→「恋文」→「我、拗ね者として生涯を閉ず」

と、思いつくまま好き勝手に紹介していたわけではなく、実は小説とノンフィクションを交互に紹介していたのです。「交互? だから、何?」などと言う方は、ジョン・ジョーンズの回転肘でも喰らえばいいでしょう。硬軟織り交ぜて、且つ小説・ノンフィクションと交互に紹介した方が、できるだけ幅広く多くの方々に興味を持ってもらえるのではないか、という私の深謀遠慮な作戦だったわけです。

とは言え、興味を持っていない人を振り向かせるのは、私が北川景子とお近づきになるくらい難しい。そもそも読書自体、数多ある趣味のなかでは動物園にいるロバくらい地味なものです。
「趣味は読書です」と口にして「はー、さいでっか。おたくさんは、えらい賢いんやろなぁ。ほな、ここの勘定はワテが持ちまひょ!」とか「ステキ。わたし、本を読んでいる男性を見ていると胸の鼓動がポップコーンがはじけるように....って、わたし何言ってんだろ。変なこと言わせないで下さい。ウフフっ」といった反応があるわけではありません。断じて無い。これが例えば「趣味はオカリナの背面弾きです。ゼルダより物悲しく弾けます」とか「趣味はロデオです。でも勘違いしないでください。水牛専門です」とか言えば、10倍界王拳くらいの反応を示してくれるんでしょうけど。

以前にも書きましたが、私は読書は究極的にはひつまぶしだと思っています。最後はお茶漬けでサラサラと胃に流し込んで締める名古屋名物じゃなかった、ひまつぶしです。しかしながら、このひまつぶしの時間を活字で埋めるようになると、物事を多面的に考えたり、深く考えたりする訓練にはなるような気がします。「考えるクセがつく」と言ってもいいでしょう。これは別に読書に限らず、映画でも、音楽でも、山菜採りでも、エロDVD収集でも、もちろん格闘技でも、何かを懸命に突き詰めようとするとすれば、自然と身に付くのだと思います。ただ、我々は言葉で考え、言葉で自分の思いを表出するわけですから、文字(言葉)を読む読書はより効果的ってことなんでしょう。

私は今回のコラムの冒頭で「できるだけ幅広く多くの方々に興味を持ってもらいたい」と書きました。それはつまり、私の思いを伝えたいということです。私に限らず、誰かと関わって生きている以上、人は自分で考えたり、感じたりしていることを相手や誰かに伝えたいと思っています。
仮に「ケッ、誰も俺の気持ちなんかわかるもんか。DREAMをやるのは大変なんだぞ」と考えている人がいたとしても、その人は「自分の思いなんか伝わらない」ということを伝えたいと思っている。そして同様に、誰しもが「自分の思いが届かない」とか、「自分の思いが伝わらない」と感じた経験があるはずです。
「オレは、北川景子のことがこんなに好きなのに、全然思いが伝わらないのはなぜなんだ!」
というのは論外です。そうではなく、誰かと話をしている時に、その相手にどれだけ言葉を尽くしてもなかなか思いや考えが伝わらず、隔靴掻痒の感を抱いたことがあるでしょ、ってことです。
では、伝わる、伝わらない以前に、そもそも我々は自分の心で思っていることを十全に表出ができているのでしょうか。そして、思いの表出と、実際の行為(行動)って本当にリンクしているのでしょうか。

というわけで、今回紹介するのは「自分の心の奥底」を見つめる本です。
「告白/町田康」です。


内容を紹介する前にズバリ書いてしまいましょう。
本作は紛れもない傑作です。
こういう作品にこそ、本来の意味の「破天荒」であったり、「圧巻」であったりという言葉を冠すべきだと思います。
文庫本で800ページを超す大作なのですが、それでもなお「いつまでも読んでいたい」という思いで読み続けらる作品って、そうはないと思います。

本作は、明治26年に大阪府で実際に起きた「河内十人斬り(かわちじゅうにんぎり)」という殺人事件をモチーフにして描かれています。この事件は、当時、相当話題になったようで、それが河内音頭として歌われるようになり、今なお河内音頭のスタンダードナンバーとして歌い継がれています
主人公はこの殺人事件を起こした犯人で、彼の出生から成長、そして事件を起こすに至るまでを、彼の心の有り様を中心にして描いています。読めば、その心の動きは殺人犯だけが持ち得る特殊なものではなく、我々と全く同じであることに気づくでしょう。凶悪な事件が起こった際に、よく耳にする「心の闇」という言葉がありますが、我々は心の闇など持っておらず、そんなものとは無縁で生きているのでしょうか? 違いますよね。誰しもが人に言えない闇を抱えています。私にも、今これを読んでているあなたにも闇はあるはずです。我々は意志の力で闇に蓋をしていると考えますが、それは単なる偶然で、たまたま闇に絡めとられずに生活を送れているだけかもしれない。
と、書くと「おどろおどろしい内容なのでは」という印象を抱かれるでしょうが、実際は全然違います。むしろほぼ全編笑いっぱなしになるくらい、軽やかで、コミカルな文体です。くほほ。もっと言えば、そのふざけたような筆致で、人の心の深淵を描いて見せてくれています。凄いです。

タイトルとなっている「告白」は、どんな意味を持っているのかは、是非本作を手にして確かめてみてください。非常に陳腐であることは承知で書きますが、「これぞ告白」としか言いようのない完璧な、完全無比なタイトルだと思います。

自分の心ってどうなっているのか。
自分の心と行動はどこまで一致しているのか。
みたいなことを、改めて考えさせてくれる読書って、良くないですか?

というわけで、今回は小説を紹介しました。次回がノンフィクションになるかどうかは...何も考えていません!
では、また来週。
(文・笹原圭一 @sasaharakeiichi

・これまでの書評
「我、拗ね者として生涯を閉ず/ 本田靖春」
「恋文/連城三紀彦」
「みをつくし料理帖/高田郁」
「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」
「みなさん、さようなら/久保寺健彦」
「将棋の子/大崎善生」
「麻雀放浪記 青春編/阿佐田哲也」

| コラム:笹原圭一の『ストロングスタイル書評』(3S) | 11:15 | 人間風車 |
ジャン斉藤
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